「出身法人で給与が違う」不満を解消!合併を支えた人事統合
【ケーススタディ】
組織の一体感を醸成し、合併によるスケールメリットを最大化させた人事基盤再構築の実践例
- 介護福祉施設
- 収益向上・経営改善
- 組織・人事マネジメント
- 301人~500人
- 501人~1000人
- 1001人~
現場の「不公平感」という見えない負債を特定し組織の投資価値を守り抜いた人事基盤再構築の舞台裏
1. 【課題】「出身法人による給与差」が職員の不満と組織の分断を招く
介護・障がい者(児)福祉・保育の複数事業を展開するA法人様は、さらなる経営基盤の強化を目的に、近隣の社会福祉法人との合併を決断されました。しかし、統合後に浮き彫りになったのは、深刻な「待遇の壁」でした。
・蔓延する不公平感: 同じフロアで、全く同じ仕事をしているにもかかわらず、「どこの法人から来たか」によって、給与テーブルや手当額が異なる状況でした
・拭えない不信感: 「名前だけ一つになったけれど、結局バラバラのままじゃないか」という声が現場から上がり、組織の一体感が損なわれていました
・経営的リスク: 不公平感による優秀な人材の離職リスクに加え、一部の法人には労働組合があったため、強引な制度変更は法的なトラブルに発展する恐れもありました

展開するA法人様
2. 【解決】「納得」を最優先した、3つの統合アプローチ
株式会社 日本経営では、大規模組織ゆえの複雑な給与実態に対し、経営の持続性と職員の納得感を両立させるための解決策を提示しました。
- 「元の法人ごとのルール」を精緻に分析: 各法人の就業規則や賃金データを徹底的に比較し、想定されるリスクと対応策を体系的に整理
- 「調整手当」によるソフトランディング: 給与水準が異なる法人同士を統合するため、急激な減額が起こらないよう差額を「調整手当」として支給。数年かけて新基準へ移行する「経過措置」を設計し、職員の生活を守りながら一本化を進める
- 「役割」を軸にした新しい評価基準: 「合併前の法人の勤続年数」という過去の基準ではなく、新しい組織で「今、どのような役割を担っているか」を評価する役割等級制度を導入
3. 【成果】不満が消え、大規模法人としての「スケールメリット」が動き出す
本プロジェクトを通じて、バラバラだった旧法人の制度は一本化され、大規模法人としての強みを活かせる組織へと進化しました。
■ 支援前後での変化:
| 観点 | 支援前(Before) | 支援後(After) | |
| 職員の心理状態 | 「出身法人で給与が違う」という不公平感が蔓延し、「吸収された側の法人が軽視されている」という心理的な溝が生じていた | 給与決定のロジックが透明化され、出身を問わない公平な処遇により、現場の不満が沈静化し安心感が醸成された | |
| 人材の流動性 | 手当や給与体系が法人ごとに異なるため、事業所をまたぐ異動や応援体制の構築が困難であった | 共通の「役割等級」が導入され、介護・障がい者(児)福祉・保育の分野を超えた適材適所の配置と人事交流が実現 | |
| 経営管理の精度 | 複数の給与ルールが並走し、正確な人件費予測が困難に。複雑な計算に追われ、経営判断の「足かせ」となっていた | 業績連動型の賞与と一本化された給与テーブルにより、収支予測の精度が向上。迅速な経営意思決定が可能となった |
A法人様からは、「複雑に絡み合った旧法人の給与実態を、緻密なロジックで解きほぐしてくれました。おかげで職員に対しても、自信を持って「公平な新制度」だと説明することができました」と、深い信頼を寄せていただくことができました。
4. 実施プロセス:約1年間の伴走スケジュール
大規模合併に伴う人事統合を、以下のステップで着実に進めました。
| 期間 | フェーズ | 具体的アクション | |
| 1ヵ月~2ヶ月目 | 現状分析・労務調査(DD)※1 | 合併した各法人の賃金実態と規定の差異を可視化 | |
| 3ヶ月~8ヶ月目 | 人事制度統一 | 労働時間、等級、給与テーブルの変更 全職員一人ひとりの処遇の変化を数パターンにわたり緻密に試算 | |
| 9ヶ月~12ヶ月目 | 職員説明会・合意形成※2 | 経営者の想いをロジックで補完する丁寧な対話 |
※1.分析の結果により、その後のスケジュールは変動する可能性があります
※2.職員説明会後も新制度に基づく評価の実施とフィードバックによる制度の丁寧な定着支援を行います
5. まとめ:現場に蔓延する「不公平感」を、未来への「安心感」に変える
大規模な法人合併において、最も困難なのは「人の心の統合」です。特に給与というデリケートな問題は、一歩間違えれば組織の崩壊を招きかねません。
今回のケースでは、私たちが第三者の専門家として介入し、「緻密なデータ分析」と「丁寧な合意形成」を両立させたことが成功の鍵となりました。単なる書類上の統合ではなく、職員が「この法人で頑張ろう」と思える公平な基盤を構築すること。それこそが、大規模法人がスケールメリットを最大化するための第一歩となります。
組織の投資価値を守り、職員が未来に期待を持てる「一つの法人」へ
私たちは、大規模合併に伴う複雑な人事統合を、緻密なロジックと誠実な対話で成功へと導きます
合併に伴う処遇改善や、不公平感の解消に向けた具体的な解決策をお探しの方は
ぜひお気軽にご相談ください


